車のサブスク・カーリースは残クレよりもお得?違いを比較しながら解説

車のサブスク基礎知識

『車に乗るなら車のサブスクと残クレどっちがお得なの?』
『残クレと車のサブスクって同じじゃないの?何が違うの?』

車のサブスクと残クレ、どちらも残価設定によって月々の支払いを抑えて新車に乗れる点で共通しています。一方で、利息の有無や月額料金に含まれる費用、残価の保証などに違いもあります。

当記事では車のサブスクと残クレどっちがお得なのか、何がどう違うのかなど両者を比較しながら解説していきます。

近年サブスクがブームということもあり、カーリースも「サブスク」と表現されることが増えています。車のサブスクもカーリースも月々定額で自由にクルマを使えるという点には変わりありません。そのため、当サイトでは基本的に車のサブスクに統一し解説しています。厳密に言うと両者には違いがあるので、サービスを選ぶ際は提供内容をよく比較検討したうえで決めることをお勧めします。

車のサブスクとカーリースの違いについてはこちらの記事をご参照ください。

車のサブスクと残クレの仕組み

車のサブスクと残クレ、それぞれの仕組みを解説します。

車のサブスクの残クレの「残価設定」とは

車のサブスク残クレどちらにも共通しているのが「残価設定」です。

残価とは残存価格の略で、契約満了時の車の予想下取り価格のこと。車のサブスクも残クレも、車両価格から残価を差し引いた残りの金額を分割で支払っていく仕組みです。

車種によって残価は異なり、中古車市場価格などを参考にしながら設定されます。また、残価の設定金額はリース会社や自動車販売店によっても異なります。

たとえば、車両価格300万円の新車を5年契約で購入するとし、残価を100万円に設定した場合、差し引き200万円を分割で5年(60ヶ月)にわたって支払っていくことになります。

いずれも車両価格全額支払うよりも支払い負担を抑えることができるのが共通のメリットです。

車のサブスクの仕組み

車のサブスクは、車両価格から契約満了時の残価を差し引いた金額を契約月数で割り、毎月のリース料金(月額料金)が決まります。

月額料金には車両価格の他に税金や保険、車検費用など車の維持費が含まれているのが特徴です

※リース会社によって月額料金に含まれる費用は異なります。

リース契約終了後は、下記4つから車をどうするか選ぶことができます。

  • 車を返却する
  • 再リース契約して引き続きリースする
  • 車を買い取る
  • 別の車に乗り換える

車のサブスクは返却を前提としているからこそ、オトクな料金でクルマに乗ることができますが、実は残価分を支払って買い取ることもできます。

残クレの仕組み

残クレとは残価設定型クレジットの略称です。

契約満了時に車を返却もしくは乗り換えることを前提にしたローンで、車の将来的な評価額を残価として設定し、車両購入価格から残価を差し引いた金額をもとに「金利を含む月々の返済」を支払っていくカーローン制度です。

残クレでは、はじめに決めた残価が保証されているので、契約満了時に大きな事故や損傷がなければ、残価で下取りしてくれます

ただし、残クレでは車両本体価格に対し金利が設定されるので、据え置かれた残価分の利息も支払うことになります。

残クレでは最終支払月(契約満了時)に次の3つの方法から車をどうするか選択します。

  • 車を返却する
  • 車を買い取る
  • 別の車に乗り換える

買い取りの場合、再度ローンを組んで分割返済も可能です。その場合、金利が高く設定し直されるので注意が必要です。

車のサブスクと残クレの違いを比較

残価設定がある車のサブスクと残クレには、どのような違いがあるのでしょうか。両者の違いを比較表にまとめました。

※スマホの場合は右にスクロールできます

車のサブスク
(車のサブスク)
残クレ
(残価設定型クレジット)
車両の所有者 リース会社 自動車販売店・信販会社
初期費用の支払 不要 必要
残価の保証 なし あり
利息 なし あり
月々の支払いに
含まれる費用
  • 車両代金
  • 各種税金
  • 自賠責保険
  • 車検費用※1
  • メンテナンス費用※1
  • 手数料
  • 車両代金
  • 利息
月額料金以外の支払い
  • 任意保険料※2
  • ガソリン代
  • 駐車場代など
  • 各種税金
  • 自賠責保険料
  • 車検費用
  • メンテナンス費用
  • 任意保険料
  • ガソリン代
  • 駐車場代など

※1.リース会社によってはオプションとなっています。
※2.月額料金に含められる車のサブスクもあります。

車のサブスクと残クレどちらも契約者には車の所有権はありません。あくまでもリース会社もしくは自動車販売店に所有権があり、契約者は車を使用する権利(使用権)があります。

車のサブスクと残クレの違い①:初期費用の支払いの有無

車のサブスクは月額料金に税金や保険などの諸費用が含まれているので、契約時に頭金や初期費用などのまとまった支払いは不要。

一方、残クレは月々の支払いに車両代金と利息しか含まれないので、契約時に初期費用として各種の税金の支払いが発生します。また、場合によっては一定の頭金も必要になります。

車のサブスクはまとまった支払いなしで新車に乗り始められます。

車のサブスクと残クレの違い②:残価の保証の有無

車のサブスクと残クレ、どちらも契約満了後は車両返却が基本となりますが、その際、返却された車両の査定価格が残価を下回った場合は差額分を契約者が負担しなければなりません。これを残価精算と言います。

査定価格は中古車相場を参考に決められるため、査定時にその車が中古車市場での価値が下がっていると査定価格も低くなる可能性があります。

ただし、残クレの場合はディーラーが残価を保証してくれます。その為、中古車相場の変動があっても、原則として契約当初に設定した残価で下取りしてくれます

車のサブスクの場合は、残価保証がありませんので契約満了時に残価精算のリスクがあります。※

※あくまでもオープンエンド方式で契約した場合に限ります。クローズドエンド方式で契約した場合は残価精算はありません。

残価保証の条件

残クレの残価保証はディーラーが必ず保証してくれるわけではありません。残価保証条件を満たした場合のみ適用され、条件を満たしていないと、車の状態などにより残価が減額され、差額分を負担することになります。残価保証の条件は各ディーラーや販売店によって多少異なりますが、基本的な条件は次の通りです。

  • 事故歴や損傷がないこと
  • 違法な改造がなされていないこと(カスタマイズした場合はノーマルの状態に戻すこと)
  • レースなどで使用していないこと
  • 走行距離の制限を超えないこと(月間走行距離1,000km以内など)

なお、一部のディーラーでは残価を保証していないところもあるので、残クレを契約する場合は必ず確認しましょう。

車のサブスクと残クレの違い③:利息の有無

車のサブスクと残クレの大きな違いの一つが利息がかかるかどうかです。

残クレはローンであり、契約者は金融機関からお金を借りて利息を上乗せして返済します。しかも、利息は残価を含めた元金に対してかかります

一方、車のサブスクは利息なしです。あくまでもリースなので、リース会社に対して払うのは使用料です。

車のサブスクは車の利用料を支払う仕組みなので、金利という概念がありません。

車のサブスクと残クレの違い④:月々の支払いに含まれる費用

車のサブスクと残クレでは、月々の支払い(月額料金)に含まれる費用が異なります。

一般的に車のサブスクの月額料金には、自動車税や重量税、自賠責保険、メンテナンス費用、車検費用などの車の維持費が含まれますが、残クレには含まれません。車のサブスクであれば基本的に契約満了時まで支払いが一定ですから、急な出費や大きな出費を避けられます

残クレの月々の支払いに含まれるのは車両代金と利息のみ。税金や車検代などは月々の支払いとは別に、その都度支払わないといけません

なお、車のサブスクも残クレもガソリン代や駐車場代は月々の支払いに含まれません。

車のサブスクと残クレの共通点

車のサブスクと残クレは、残価設定があることが共通していますが、その他にもいくつかの共通点があります。

共通点①:カスタマイズ禁止

いずれも返却もしくは、下取りを前提としている場合は原則としてカスタマイズが禁止されています。

返却された車は中古車として再販されます。カスタマイズ車は好みが分かれるので中古車市場では売れにくく、ノーマル車と比べて敬遠されがちです。リース会社はディーラーは、再販時に少しでも高く、早く売るためにカスタマイズを禁止しています。

もし、カスタマイズされた状態で返却や下取りに出した場合は、追加料金が発生し自分で元の状態に戻さないといけません。

共通点②:走行距離制限がある

走行距離制限が設けられているのも車のサブスクと残クレの共通点です。

返却もしくは下取りに出された車は、中古車として再販されます。走行距離が多いほど価値が下がってしまい、部品などに劣化が見られる可能性もありリース会社やディーラー側も利益が減るのを避けるために走行距離制限を設けています。

走行距離の上限は各社で異なりますが、月間1,000km〜1,500km以内で設定している場合が多いです。

共通点③:車両返却時の精算リスク

車のサブスクも残クレも、車両返却もしくは下だりに出す際に車の傷や凹みに対して修理費用などの追加料金が発生するリスクがあることも共通しています。

返却車両を査定し、査定項目によって点数が減点されることがあります。損傷程度によって原点が積み重なり、定められた減点点数を超えてしまうと追加金を負担する小tになります。

減点の基準は各社で異なります。たとえば、50点の減点で追加金5万円を請求するところもあります。事故によって修復歴があれば別に負担金の精算も必要になるでしょう。

全損の場合は、残りの残価分の返済を要求されます。車を失った上に、ない車のローンを返済しなければいけませんので損傷には十分注意してください。

どちらで契約する場合でも自動車保険(任意保険)に加入し、車両保険の補償を付帯するのも一つの手です。

車のサブスクと残クレのメリット・デメリット

車のサブスクと残クレ、それぞのれメリット・デメリットを解説します。

車のサブスクのメリット・デメリット

車のサブスクのメリット

車のサブスクには次のようなメリットがあります。

・まとまった出費がない

車のサブスクの月額料金には車両代金の他に税金・保険・メンテナンス費用・車検費用などが含まれています。車の維持費用を月額料金と別で支払う必要がありません。リース会社によっては任意保険や故障修理等の費用もコミコミ定額にできるので、急な出費やまとまった出費の心配がなく安心して車を使用できます。

なお、法人や個人事業主の方は月額料金を全額経費として計上可能です。

・月額料金だけで車に乗り始められる

車を購入する場合、車両本体価格の10〜20%程度の頭金と初期費用の現金払いが必要です。

一方、車のサブスクでは月額料金に諸費用が含まれているので頭金も初期費用も支払い不要です。月額料金だけで車に乗り始められます。まとまったお金を用意できなくてもカーライフを始められるのです。

・車の維持管理をリース会社におまかせできる

車のサブスクは、リース会社が提携する整備工場で点検・整備を受けることができます。メンテナンスの時期が近づくとリース会社から通知が届くのでメンテナンスの受け忘れもありません。

メンテナンス費用や車検費用を月額料金に含めていれば、メンテナンスの度に支払いをする必要もありませんので維持費の支払いを心配せずメンテナンスを受けられます。車の維持管理をリース会社におまかせすることができます。

・車選びから契約までWEBで完結できる

車のサブスクは車選びから契約までの手続きをWEB上で完結できます。ディーラーへ何度も足を運んで商談する必要は一切ありません。残価があるおかげでおトクな料金設定ですから面倒な値引き交渉も不要です。自宅にいながら自分のペースで手続きを進められます。

・好きな車に乗り換えできる

残クレの場合、乗り換えはそのメーカーの車種に限られます。しかし、車のサブスクでは全メーカー・全車種を扱っているリース会社も多く、他メーカーの車や好きな車種に乗り換えることができます。

車のサブスクのデメリット

車のサブスクには次のようなデメリットがあります。

・残クレよりも月々の支払いが高い

車のサブスクの月額料金には車の維持費がコミコミになっているので、車両代金と利息のみを月々支払っている残クレに比べると月々の支払額は高くなります。

とはいえ、残クレでも車の維持費は払わなければなりませんし、月々の支払いとは別でその都度支払いが発生するので車関連の出費が一定ではありませんので管理が大変です

・車両返却時に残価精算・追加費用が発生する場合がある

残クレと同じく、車両を返却した場合、査定額が残価を下回ると差額分を契約者が負担することになります。また、走行距離制限をオーバーした場合や、車に目立った傷や凹みがある場合などは別で追加費用が発生します。車のサブスクでは、契約方式を確認し残価精算不要のクローズドエンド方式を選びましょう。

残クレのメリット・デメリット

残クレのメリット

残クレのメリットは以下のとおりです

・月々の支払額を抑えられる

残クレでは、車両価格から残価分を差し引いた金額でローンを組むため、総額で組むフルローンと比べて1回の支払額が少ないです。また、支払額に含まれるのは車両代金と利息のみなので車のサブスクと比べても月々の支払額を抑えることができます。

・残価が保証されているので安心

中古車相場の変動や、モデルチェンジ等によって車の価値・価格は変わります。そのため、契約期間中に中古車としての価値が下がることもあります。

しかし、残クレは中古車市場での価格が下火になったとしても、契約当初設定した残価は契約終了まで変わらないのが強みです。

残クレのデメリット

残クレのデメリットは以下のとおりです。

・利息が高い

車の購入でローンを利用する場合、借入額に対して金利がかかります。しかし、残クレでは据え置いた残価に対しても金利がかかるので、総支払額は高くなります。残クレは月々の支払額は少ないですが、残価設定があることで元金の減るスピードが遅くなるので、通常のカーローンと異なり利息を多く支払っていることが大きなデメリットと言えます。

・乗り換えの場合、同じメーカーの車種となる

残クレで使用していた車を下取りに出して乗り換える場合、新しい車は同じメーカーの車種から選ぶことになります。他メーカーの車に乗り換える場合は、残債を一括払いしなければなりません。

・返却時に追加の支払いが発生するリスクがある

返却もしくは下取りに出した車のコンディションが悪いと査定額が下がり、追加費用の支払いが発生します。カスタマイズした場合も、中古車市場での価値が下がるので追加支払いをしなければなりません。

車のサブスクと残クレの注意点、中途解約は費用がかかる

車のサブスクと残クレ、共通して注意すべき点があります。それは中途解約です。

車のサブスクは原則として中途解約不可となります。諸事情によって中途解約が認められる場合もありますが、その場合は解約金・違約金が発生します。計算方法は各社で異なりますが、残期間分のリース料や未払料金及び遅延損害金、事務手数料などからリース車両の査定額を差し引いて算定するのが一般的です。残りの期間が長いほど解約金は高額になります。

残クレで中途解約する場合、その時の残債を清算する必要があります。残価分も支払って車を買い取れば売却することもできます。ただし、売却しても残価が残ることも多いので、数十万円の支払いが必要になる場合があります。

途中解約する場合は、お金に余裕があるか確認した上で行いましょう。

車のサブスクと残クレどっちがお得?どんな人に向いてる?

残クレは利息がかかる!総支払額は車のサブスクがお得

車のサブスクは車両本体価格から契約満了時の車の価値、残価を差し引いた残りの金額に、税金や車検費用など維持費を加算した金額で月々のリース料を決めます。

一方、車のサブスクは車両本体価格から残価を差し引いた金額でローンを組んで分割返済していきます。

車のサブスクは維持費が含まれているので、残クレよりも月々の支払額が増えます。しかし、残クレを契約する場合であっても維持費は支払わなければなりません。残クレは月々の返済とは別に税金や保険料、車検費用などがかかるので管理が大変です。

しかも、残クレは車両本体価格だけでなく据え置いた残価に対しても金利がかかっており利息の支払いがかさみます。総支払額で考えれば車のサブスクのほうがお得だと言えるでしょう。

車のサブスクが向いてる人

車のサブスクが向いてるのは次のような人です。

  • まとまった支払いを避けたい人
  • 月々の支払いを一定にしたい人
  • 面倒な手続きや支払いを避けたい人
  • 数年で新しい車に乗り換えたい人

車のサブスクの毎月の支払額に含まれるのは車の利用料だけでなく、維持費も含まれます。期間中の税金や保険料もコミコミですから、契約時に頭金・初期費用を支払う必要がありません。メンテナンス費用や車検費用も毎月の支払額に含めることもできるので、その都度支払う必要もなくなります。つまり、契約時も期間中もまとまった支払いや不意な出費がなく安心して車を使用できます。

月額料金の支払いだけで車に乗れるので、まとまった支払いを避けたい人や月々の支払いを均一化したい人に車のサブスクは最適です。

また、車のサブスクは手続きや支払い関連をリース会社にお任せできるのも特徴の一つです。WEBで契約でき、自宅に納車してもらうこともできるから来店不要で手間がかかりません。税金の支払いはリース会社がしてくれますし、点検や整備の時期にはリース会社からお知らせが来るので管理もラクです。手間をかけずに車に乗りたい人にも車のサブスクは向いてます。

残クレが向いてる人

残クレが向いてるのは次のような人です。

  • 月々の支払いを抑えたい人
  • 3年程度で車を乗り換えたい人
  • 車の維持費やメンテナンスは自分で管理したい人

残クレは車のサブスクよりも月々の支払額は低いので、毎月の支払い負担を抑えたい人におすすめです。ただし、税金やメンテナンス費用などは自分で支払いするため、月によっては支出が大きくなるので問題なく支払えることが前提となります。

残クレは短期間で新しい車に乗り換えたい人にも向いてるサービスです。車は時間経過とともに価値が下がるので、残価設定がある残クレならば価値が落ちすぎない早めのタイミングで乗り換えができるからです。新車は3年目に最初の車検が訪れるので、その前に乗り換える人もいます。3年契約なら残価設定も高いので残クレはお得です。短期間なら利息の支払いも少なく済みます。

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出典:KINTO

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まとめ

残価設定がある車のサブスクや残クレは、おトクな料金で新車に乗れます。しかし、走行距離制限や利息負担、残価精算リスクなどのデメリットがあるのは確かです。ライフスタイルや車の乗り方によって、向き不向きがあるので慎重に検討しましょう。

月々の支払い負担を抑えつつ、利息を気にせず新車に乗りたい場合は車のサブスクがおすすめです。費用コミコミ定額なので月々の支払いを均一化できコスト管理が簡単です。

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