『車のサブスクは残価精算のトラブルが多いって本当?』
『追加精算が心配でサブスクの利用を迷ってる…』
『残価精算の条件は?残価精算なしの車のサブスクはある?』
車のサブスクは契約満了時に車両を返却しなければなりません。この際、リース会社は返却車両を査定し改めて車の価値を決めるのですが、この査定価格が契約時に設定した残価を下回っていた場合、差額分を契約者が負担しなければなりません。
これを残価精算といいます。たとえば、残価が50万円で返却車両の査定価格が30万円だった場合、差額20万円を契約者が負担することになるのです。
車のサブスクで特に気をつけたいトラブルの一つが車両返却時の残価精算や追加精算です。
当記事では車のサブスクの残価精算や追加精算発生について解説していきます。あわせて残価精算なしの車のサブスクサービスもご紹介します。
トラブルの元?車のサブスクの「残価」とは?
まずは車のサブスクの残価について見ていきましょう。
そもそも「残価・残価設定」とは
車のサブスクにおける残価とは「残存価格」の略で、リース契約期間満了時の車の価値を予想した価格のことです。
一般的に新車で購入後、車の価値は経過年数に応じて下がっていきます。車種にもよりますが、新車購入から3年後の車の価値は新車価格の70%程度、5年後は50%程度、7年後は30%程度となりますそのクルマが登録から3年、5年たったときに残っているであろう価値だと捉えていただければわかりやすいかもしれません。
たとえば、車両価格200万円の新車をリースで5年契約するとします。5年後の契約満了時には車を返却するから、その車にはまだ価値が残っています。先の例で言えば5年後の価値は車両価格の50%程度残ります。つまり100万円の価値があるということですね。
それならば、あらかじめ5年後に残っている価値100万円を差し引いた金額でその車を提供しよう、という考えが車のサブスクの残価設定です。一定期間が終了した時点での車の価格(価値)のことを残価と言い、この場合の車の残価は100万円ということです。
つまり、本来200万円の新車を残価100万円を差し引くので、200万円−100万円=100万円でその車に乗れるということです。
車のサブスクの場合は契約月数で均等割した金額を月々支払っていくので、100万円÷60ヶ月=約16,666円、車両価格200万円の車に月々17,000円程度で5年間使用できるということになります。
このように、残価設定とはリース契約満了時にそのクルマにどれだけの価値があるのかを予想下取り価格としてあらかじめ設定することを意味します。
残価はあくまでも「予想」の下取り価格
繰り返しになりますが、車のサブスクにおける残価はあくまでも「予想下取り価格」です。
先の例で言えば、車両価格200万円の新車の5年後の価値は100万円だとしたのも、あくまでも予想に過ぎません。5年後にその車を査定したら50万円にしかならなかった…なんてこともあり得るわけです。
そして、この際に生じた50万円分の差額はどうするのか?というと、契約者が負担することになります。これが残価精算です。
中古車相場の変動や契約者のクルマの使い方によっては価値が下がってしまっていることもあるため、契約満了時に返却された車はリース会社がきちんと査定するわけです。
車のサブスクで残価精算・追加精算が必要になる条件
車のサブスクでは契約満了時に車両を返却したら必ず残価精算・追加精算が発生するわけではありません。
残価精算・追加精算が発生する条件は次の3つが挙げられます。
- 契約満了時の車の市場価値が下落した
- 目立つキズ・凹み・汚れがついている
- 設定した走行距離をオーバーした
1.契約満了時の車の市場価値が下落した
リース会社は契約満了で返却された車両は中古車として販売します。そのため、リースで貸し出す車両の残価は中古車相場を参考の一つとしています。
しかし、中古車価格は需要と供給のバランスで大きく変動します。そのため、中古車市場の価値が下落したクルマは返却時の査定額が著しく低くなり、結果として残価よりも査定額が低いマイナス査定が起こります。
中古車市場価値の下落はコントロールできませんので、選択する車種の市場価値に注意するしかありません。できるだけ中古車市場価値が下がりにくい車種を契約してリスクを抑えるようにしましょう。
2.目立つキズ・凹み・汚れがついている
車のサブスクはクルマの所有権がリース会社にあります。そのため、契約満了でクルマを返却する際は、原状回復で返却する必要があります。
原状回復…返却の際に元の状態に戻して返却すること
クルマに傷や凹みがついていて修理が必要な場合や、車内に汚れや臭いがついていてクリーニングが必要な場合、それらにかかる費用を契約者負担で精算しなければなりません。
たとえば、トヨタのKINTOでは公式HPにて減点の目安を以下のように掲載しています。
出典:KINTO
ただし、車のサブスクは年単位で長期に渡ってクルマを使用するので一切傷や凹みをつけずに契約満了までのることは難しいです。そのため、ちょっとした傷や凹みでも査定額が大幅に減額されるわけではなく、基準に基づいて減額されます。※
※基本的に減点方式で査定をしていきます。
契約するときは任意保険(自動車保険)に補償内容を確認した上で加入し、できれば車両保険をつけるのがおすすめです。
3.設定した走行距離をオーバーした
車のサブスクは、あらかじめ定めた走行距離制限内で使用することも含めて残価を設定しています。走行距離が少ないほど消耗が少なく車の価値は高くなるので、走行距離を短く設定すれば月額料金を抑えることができます。
しかし、設定した走行距離をオーバーして返却すると、その分クルマの価値が下がるため追加精算する必要があります。
走行距離の追加精算金は、超過1kmあたり10円といったように定めているリース会社が多いです。
例)走行距離制限1,000km/月で5年契約、超過料金1kmあたり10円の場合
1,000km×60ヶ月=60,000km
→60,000km以下なら超過料金の精算なし
・70,000km走行した場合…
10,000km×10円=100,000円
→超過料金として100,000円を精算しなければならない
走行距離制限はリース会社によって異なります。あらかじめ決まっている場合と、契約者がいくつかの選択肢から選ぶ場合があります。
走行距離制限を短くすれば月額料金は安くできますが、返却時に思わぬ出費を強いられることもあります。クルマを利用する頻度や月の走行距離を把握し、自分のライフスタイルに合った走行距離を設定するようにしましょう。
車のサブスクの残価は確認できる?
車のサブスクでは契約時に残価設定しますが、残価を高くしすぎると契約満了時の査定価格と残価の乖離が大きくなり高額な残価精算を求められる可能性があります。
そうならないためにも、契約する前に残価がいくらに設定されているかきちんと確認するようにしましょう。実は車のサブスクの残価は確認することができます。
残価を確認できるかどうかは契約方式で異なる
車のサブスクには契約方式が「オープンエンド方式」と「クローズドエンド方式」の2種類あります。残価を確認することができるのはオープンエンド方式です。
オープンエンド方式
オープンエンド方式は、契約者に残価を開示する契約方式です。
たとえば、下記はSOMPOで乗ーる(そんぽでのーる)のWEB見積もりですが、残価が開示されています。
オープンエンド方式では契約者の同意のもと残価を設定するので、残価を高くすれば月額料金を抑えることができます。
ただし、契約時に設定した残価と契約満了時の車の査定価格に差額があった場合、契約者がその差額を負担しなければなりません。
クローズドエンド方式
クローズドエンド方式は、設定する残価を契約者に開示しない契約方式です。リース会社独自に算出し、契約者は残価がいくらなのか知ることはできません。
そのため、オープンエンド方式と比べるとクローズドエンド方式の月額料金は高めになります。
しかし、クローズドエンド方式は残価と契約満了時の車の査定価格に差額が生じてもリース会社が負担するので、契約者に残価精算のリスクはありません。
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車のサブスクの契約はオープンエンドとクローズドエンドどっちがいいの?
【要注意】どちらの契約方式でも追加精算のリスクはある
車のサブスクをオープンエンド方式で契約しても、クローズドエンド方式で契約しても契約満了時の追加精算のリスクはあります。
『え?クローズドエンド方式は残価精算がないんじゃないの…?』と、思われるかもしれません。
少しややこしいのですが、クローズドエンド方式ではあくまでも残価精算のリスクがないだけであって、車両の傷や凹みの修理費用や、走行距離超過料金の請求リスクはあります。残価精算は、中古車市場の下落によって車の価値が残価よりも低くなった場合に発生する精算のことです。
車両の傷・凹みの修理は「修理費用」として、車内の臭いや汚れは「クリーニング代」、そして走行距離超過は「超過料金」として追加費用を請求されます。
契約方式 | 残価精算・追加精算の対象範囲 |
---|---|
オープンエンド方式 |
|
クローズドエンド方式 |
|
表からわかる通り、契約方式における残価精算・追加精算の大きな違いは中古車市場価値の下落による残価精算があるか・ないかです。
クローズドエンド方式で契約したとしても、傷や凹みの修理費用や、走行距離超過の超過料金などの追加費用請求のリスクはあるということは覚えておきましょう。
KINTOなら「残価設定あり・期間中の追加費用なし・残価精算なし」でおトク&安心してクルマに乗れる
残価設定ありの車のサブスクの中でも、特に「KINTO」は、頭金・初期費用0円、維持費コミコミ月々定額、残価精算なしで安心して車に乗れます。
出典:KINTO
トヨタKINTOのサービス内容を詳しく見ていきましょう。
残価設定ありのクローズドエンド方式
KINTOのリースプランは、残価設定ありのクローズドエンド方式です。3年/5年/7年のプランから選択でき、契約満了時に残価精算がないから安心してカーライフを楽しめます。残価設定があるから購入よりもお得な料金で新車に乗れます。
また、解約金・違約金なしで中途解約が可能なプランも用意しています。通常、車のサブスクは中途解約不可ですが、KINTOなら中途解約も可能。契約中にライフスタイルが変わっても車を手放すこともできますし、別の車に乗り換えることもカンタンにできます。
車の維持費コミコミ月々定額で期間中の追加費用なし
KINTOの月額料金には税金・保険・メンテナンス・車検・故障修理費用などなど、車関連の維持費がすべてコミコミです。任意保険もセットされていて、面倒な加入手続きもなし。保険を使っても月額料金は一切変わりません。
維持費が全て料金に含まれているから、月々支払うのは月額料金(リース料金)だけ。利用期間中に別途費用の支払いが発生することはないので安心です。
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まとめ
車のサブスクの残価とは、リース契約満了時の車の予想下取り価格のことです。この残価を車両価格から差し引いた金額から月額料金を算出するので、車のサブスクは購入するよりもお得な料金でクルマに乗ることができます。
残価はあくまでも予想下取り価格ですから、契約満了時に査定した価格が残価を下回ってしまうこともあります。その場合、差額を精算する責任は契約者にあります。これを残価精算と言います。
ただし、残価精算があるのはオープンエンド方式で契約した場合のみ。クローズドエンド方式なら月額料金はやや高いですが、残価精算のリスクはありませんので安心です。
クローズドエンド方式でも、車両に傷や凹みがあったり走行距離を超過している場合は、別途追加費用が発生するのでその点も理解したうえで契約するようにしましょう。
よくある質問
Q:車のサブスクの残価設定って何ですか?
A:車のサブスクの残価設定とは、契約満了時の車の価格(予想下取り価格)を設定することです。あらかじめ車両本体価格から残価を差し引くため、実際の車両価格よりもお得な料金でクルマに乗ることができます。
Q:残価設定がある車のサブスクを選ぶポイントは?
A:契約方式を確認することが大切です。オープンエンド方式は月額料金を抑えることもできますが、残価と査定価格に差額が生じた場合は、契約者が負担しなければなりません。クローズドエンド方式は、月額料金はやや高めですが車両返却時の残価精算はありませんので安心して利用できます。
Q:クルマを返却しなければ残価精算を無くせるのでは?
A:確かにそのとおりです。リース会社によっては、契約満了時に車を買い取ったり、もらったりできるプランを選択できます。車が完全に自分のものになるので残価精算・追加精算はありません。ただし、総支払額は購入するよりも割高になるのでその点は注意が必要です。